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2018年09月11日(火)

ZX-10R 2018 KRT リコール修理

ZX-10R KRT 2018 リコール修理
 
 
ZX-10Rのリコール修理。記事にしていない車両もありますが4回目のエントリーです。
過去3回のエントリーはこちらから。
 
 
こちらの車両は2018 KRT Edition。
2016のアップデートから大きなミッション系には変更はなく、パーツや手順はかわりません。
 
 
まずは外装。そして、スプロケットカバー、クラッチカバーを外して行きます。
 
 
スプロケッドは駆動力を後輪に伝えるため、規定トルクでしっかりと緊結されています。
適したツールで注意しながら緩めて行きます。無事にはずれます。
 
 
次にクラッチカバーを外し、クラッチを露呈します。
 
 
クラッチユニットを外すと、カセットミッションのカバーがでてきます。
右の写真にはクランクシャフトのバランサーとギヤが見えています。
 
 
カセットミッションを取り出しました。
リコールがかかっている部品ですが見た目では強度不足なんてわかりません。
 
 
左が今回のZX-10Rのカセットミッション。
右が以前の記事の「Z1000F型 ミッションオーバーホール」の写真と見比べると、ミッションの搭載方法が全く違うのがわかります。
エンジンブロックに組み込まれている Z1000 のミッションとは違い、ZX-10Rのカセットミッションはそのユニットごと引き出すことができるようになっています。
Z1000よりメンテナンス性は良く、こうやってかいつまんだ写真だけで見るとパパッとできてしまいそうに見えてしまいます。
 
 
対策品と交換するため、シャフトからミッションユニットからギヤを一枚一枚はずしていきます。
どれが何のギヤだかわかりますか?
 
 
左がリコール対象パーツ。右が対策パーツ。
対策済みであるかどうかを見てわかるように、機能に影響のない部分に物理的なマーカーが刻まれています。
 
 
インプット側もアウトプット側も対象となるギヤを交換して行きます。
 
 
こうして組み上げて完成。
あ、組み上がった写真が、、、

こちらをご覧ください!! ZX-10R 2018 KRT Edition

2018/09/11 18:00 | 車検・修理! | コメント(0) | トラックバック(0)

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2018年09月04日(火)

GPz900Rアップハンドル化

GPz900Rアップハンドル化
 
 
 ロングツーリグへ!
 ライディングポディションは乗っている時間が長ければ長いほど疲れ具合に影響してきます。
 快適に乗るためにカスタムに、アップハンドル化があります。
 
 ハンドルを交換すると言っても実はそんなに簡単な作業ではありません。
 車両を操作する様々なものがハンドルに集中しているため、当然それらの位置も変わります。
 接続されているケーブルやホース、ワイヤーといったものを調整や交換しなければなりません。
 
 そして、ハンドル位置が変更されることで最も気をつるのが、その可動範囲と干渉です。
ハンドルを動かしたら何かに当たって思った角度にならない。。。なんて、走行中に起きたらシャレになりません。
 
 
 そんな能書きは置いといて、今回のGPz900Rのアッハンドル化カスタムの写真はこちら 
 
左が施工後・右が施工前
  
 
フロントビュー  
 
 
 
 
 
ハンドルマウントは、アントライオン ミルタイプ 質感良好!
アッパーブラケット&ステムナット


今回のカスタムはその質感にもこだわりました。
見た目の重厚感、なかなかなものです。
 
 
その他実装パーツとセッティング

ホース類
 Fブレーキホース  ロング  EARL'S
 クラッチホース   ロング  EARL'S(HP
  
 
純正流用 スチールハンドル UP&ちょい手前
 ギリギリのクリアランスで左右ハンドルの干渉はしない
 
他車流用純正チョークワイヤ  ロング
 アジャスト部がワイヤー中間に在るため900Rにありがちなアジャスター部の破損はしない
 
アクセルワイヤは取り回しを変更のみ
 社外のハイスロや右ハンドルスイッチ変更を避けるため
 
2層式ゲルタイプ ハンドルグリップ
 持ちは悪いが対振動に良好
 
POSH製 ヘビーウェイトハンドルバーエンドHP
 
 
 
そのほか
・USB電源取り付け
・スマホホルダー取り付け
 

2018/09/04 23:59 | カスタム♪ | コメント(0) | トラックバック(0)

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2018年08月28日(火)

ZX-12R燃料系メンテナンス

ZX-12R燃料系メンテナンス
 
 12RといえばKawasakiの数ある車種の中でとても特徴的といえる車両で、2000年に新世代フラッグシップとしてデビューし、バックボーン型モノコックフレームや、航空部門の技術者参加によるエアロダイナミクスを踏まえたカウリングデザイン、2軸2次バランサーを実装しリジットマウントされたエンジン、そしてそこからアウトプットされるパワー。
その特異な性能や特性に惚れ込んだライダーたちを中心に話題となりながらも2006年に生産終了しかれこれ12年。
 
 
 今回はもうすぐ初代から20年を迎えようとしているハイパワーバイクの欠かせないメンテナンスです。
 
 
 樹脂パーツは経年による劣化が顕著に現れます。
 それは車両の保管や日々のメンテナンスによって変わってきますが、どんなメンテナンスをしていても劣化を防ぐことはできません。
 劣化してもある程度大丈夫なパーツもありますが、気づかないところで劣化していて致命的なことになってしまうパーツもあります。
 
 
 その、代表的なパーツが。。。燃料系ホースです。
(写真は他の車両)
 以前「ZX-9R E型 整備」の記事の後半でもとりあげましたが、樹脂ホースの劣化はヒビ割れがいちばん多く、その様子は外観からではなかなか見つけることができません。
 ZX-9Rの写真の様に、ホースの縦方向(流れる方向)に向かってヒビ割れがはいってくると、締め付けていても振動や動きによってヒビ割れを伝って燃料が漏れ出してきてしまいます。
 それを放置したままにして、それに引火してしまうと、、、
 そうならないためにも、車両の年式に応じた劣化が予想されるパーツのメンテナンスは重要になってきます。
 
 
 このような、それ相応の年式になろうとしているZX-12Rのフューエルホースの交換作業の一幕です。


(写真は他の車両)
 Kawasakiの技術力の挑戦とも言えるのでしょうか、バックボーン型モノコックフレームに直付けされたエンジン。
必然的にメンテナンスに必要なクリアランスはゼロに近い状態です。
 カウルを外して手を差し入れて、、、のような整備性の良い作業は遠くの彼方。
 
 
 ZX-12Rについては、この様にエンジンを半おろし状態にしなければ、十分な作業クリアランスをとることができません。
 横着してエンジンをずらさずに無理やり交換作業をすると、ほぼ間違いなく交換する新品のホースを痛めてしまいます。(実証済みです)
 それではフューエルホースを交換する意味がないので、横着はせず、丁寧に作業をできる様にするため、エンジンをずらすのですが、、、
 
 
肝心なエンジンをずらすためには、チェーンラインを外さないといけません。
 チェーンラインを外すためには、リアホイールを外さないとフリーになりません。


すると、こうなりました。

 
 ほぼ全バラに近い状態です。。。
 
 
 そして、そのフューエルラインですがスタートは当然ですがタンク下。
 
 
 そこからフレームの隙間を縫って配管されています。
 
 
 エンジンなどいろいろ外してこの状態です。
 経年による劣化での燃料漏れから車両が炎上しないための交換ですので、丁寧な作業でしっかりと配管しないと意味がなくなってしまいます。
 
 
 そして、ここまでバラしたのですから、スロットルボディーのチェックも行いました。
 ZX-12Rのパワーの源泉である巨大なスロットルボディー。46mmの大口径になっています。
 
 
 
 年式が古くなればなるほど、純正パーツが手に入らなくなってしまったりもするので気をつけてください!!

2018/08/28 16:34 | 整備日誌♪ | コメント(0) | トラックバック(0)

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2018年08月07日(火)

ZX-14Rフロント周りメンテナンス

ZX-14Rフロント周りメンテナンス
 
 
整備で必ずチェックするステムベアリング。そしてそのほとんどが「要メンテナンス!」と、言っても過言ではないステムベアリング。
このZX-14Rも例外ではなく要メンテナンス状態でした。
 
 
フロント周りのカウル、ブレーキキャリパー、ホイールとフロントフォークまで順番に外すとステムに至ります。
 
 
シャフトを抜いて露呈したステムベアリング。
もう、ほとんどグリスが残っていません。劣化によって樹脂のようになってしまっているものもあります。
この状態だと、潤滑効果をもたらすグリスが切れていることで、ベアリングなどの金属の摩耗や、雨水などの水分の浸入を許し、錆などの腐食をおこしてしまいます。
 
 
ベアリングを取り外した状態。
劣化して変色したグリスの跡が残っています。
 
 
ステムシャフト側のベアリング。
劣化したグリスや汚れがあるのがわかります。
こちらは交換しておいた方が良さそうです。
 
 
フレーム側、上部・下部です。
汚れもさほど酷くなく、酷い打痕もなく腐食もほとんどありませんでした。
しっかり清掃します。
 
 
ベアリングを取り外し、しっかりと清掃。
こちらも綺麗ですね。
 
 
グリスとあふれんばかりに充填してベアリングを装着。
 
 
次はフロントブレーキのオーバーホールです。
全体的にブレーキダストが付着しています。
オーバーホールのため、ブレーキパッドも取り外し、分解・清掃・点検を行います。
 
 
ブレーキパッドを取り外し、キャリパーピストンツールでピストン回転させ裏側もしっかり清掃・メンテナンスを行います。
レーキダストだけでなく、油分・水分・汚れなどがこびり付いて錆が出てしまいがちです。
サビや汚れはピストン内部のシールを痛めてしまいブレーキの性能を悪化させてしまうので注意が必要です。
 
 
右がメンテナンス後、左がメンテナンス前のキャリパーピストンです。
ブレーキダストの付着具合で違いがはっきりわかります。
ダストは抵抗になりますので、スムーズな動きをしなくなってしまいます。
ブレーキは最も信頼性が必要となる「止まる」の動作に必要不可欠なパーツです。動きの変化に気をつけておきましょう。
 
 
ブレーキキャリパーのオーバーホールを行い、ブレーキオイルも交換します。違いは一目瞭然。
ブレーキオイルの劣化は期間や状況で変わってきます。乗っていなくても劣化はしてしまいます。
悲しいことに密閉されている容器の中に入っていても湿気の浸入で劣化してしまいます。

2018/08/07 21:00 

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2018年07月31日(火)

Z1000F型 ミッションオーバーホール

Z1000F型 ミッションオーバーホール
 
2003年にZR1000Aとして再誕したZ1000。このF型はその5代目として2014年に発売されました。
 
 今回はミッションのオーバーホール。以前ご紹介したZX-10Rミッションリコール修理[1][2][3]と似た作業なのですが、ちょっと大掛かりです。
 以前のZX-10Rはカセットミッションのため、クラッチカバー・クラッチを取り外しミッションユニットのメンテナンスができましたが、Z1000はエンジンを下ろすところから始まります。
 
 
「エンジンを下ろす」と、文字にして8文字ですが、実際はかなりの作業内容となります。
外装、シート、タンク、マフラー、ゼネレーター、ラジエターなどなどエンジンにつながっているものすべてを取りはずします。
 
 
 
 
エンジンを下ろし、オイルパンを外した状態。
中央の写真はちょうどエンジンを下から見た状態なので逆さまになっています。
上の方がクランクシャフト側。下の方がミッション側になります
左右の写真で、ミッションシャフトの中心を境にエンジンケースに筋が見えます。この位置でエンジンケースを開けるとミッションが現れてきます。
 
 
 
ケースを開けてミッションを露呈した状態が右の写真。左はクランクシャフト側。
 
 
 
 
ようやく現れたミッションを細かく確認していきます。
 
 
 
 
シフトフォーク部分。
中央の拡大写真でよく見えますが、削れている部分とバリが立っている部分があるのがわかります。
回転しているものが擦れて削れてしまい、その影響でバリがでてしまっています。
 
 
 
 
さて、ミッションをばらしていきます。
ギヤチェンジを行うと、シフトドラムが回転しその角度に合わせてシフトロッドをガイドとしてシフトフォークが移動します。
シフトフォークが移動することによってギヤシャフトに緊結されていないギヤがスライドし、緊結されているギア側面にある突起(右の写真)と噛み合うことで回転動力を伝えていく仕組みになっています。
ローギヤに入れる時、カツンとくる衝撃はそのギヤ側面の突起と相手側のギヤと噛み合った時に生じるものです。
 
 
 
 
今回のオーバーホールの目的はこれ。
左の写真では突起が噛み合う部分の角が削れてしまっています。そして相手となる突起の角も削れているのが右の写真。
このような状態ではギヤが入っても入りきらず抜けてしまったりしてしまいます。
しっかりシフトチェンジが終わっていない状態でエンジンのトルクをかけてしまったりを繰り返してしまうとこのような状態になってしまいます。
 
 
 
 
不具合が起こっているギヤを交換していきます。
左が古いギヤで右が新品のギヤ。
 
 
組み上がったアウトプット側ミッションです。
 
 
 
 
こちらはシフトフォーク。交換します。
 
 
 スムーズに動かなくてはならない部分がこうなってしまっては本来の動きができなくなってしまうと同時に、工業製品には自然治癒能力はないので、放置しておくと悪化することしかありません。なにか異常に気づいたらら確認・点検をするようにしてください。
そして、なによりも日頃のメンテナンスが重要です。定期的な清掃やオイル交換などのメンテナンスをお忘れなく。

2018/07/31 21:00 | 整備日誌♪ | コメント(0) | トラックバック(0)

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